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覚醒

第4章 虚無感

真実と康太はあれ以来幾度となく躰を重ねた。

康太とのSEXは、優しく、柔らかい羽に包まれるような幸せを与えてくれるものだった。

しかし、真実は康太と躰を重ねた日は、何故か自慰をしてしまう。

その確率はほぼ100%。

幸せなはずなのに…。

満たされているはずなのに…。

康太に抱かれ、感じ、昇り詰める…。

その後に必ず襲う、説明のつかない虚無感…。

それは、処女を捧げたあの日からずっとだ…。

真実の躰が何かを求めていたが、その正体は、当の真実にも検討がつかなかった。

真実は、自慰をする時必ずそれを引き出しから持ってくる。

それは、初めて自慰を覚えた幼い頃からずっとだ。

両親の寝室から持ち出した、あのポラロイド写真。

赤いロープで拘束された母に自分を重ねる。

そして、父に躰を弄ばれる自分。

母のおソソに突き立てていた、あの父の肉棒が自分の中に突き立てられる様を妄想しながら…

真実のオナニーは、不思議と康太ではなく、父が現れるのだ。

康太を愛していた。

なのに…何故…。

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