
甘く、苦く
第71章 にのあい【you to dedicate.】
『…もしもし、』
聞こえたのは、
相も変わらず不機嫌な声。
『…相葉さん?』
聞こえてる?って
ちょっと焦ったような声。
『え、生きてる…?
おーい、相葉さーん?』
「生きてますー。
ニノ残して死ねないから。」
『…んふふ。当たり前。
相葉さん死んだらだめだから。』
「ふふ、そだね。
…今から家行ってもいい?」
『…なんで、』
「いや…、やっぱり顔みたいなって。
ニノいなきゃ俺だめなヤツだからさ。」
『…ふぅん。反省はしてるんだ?』
さっきとは打って変わって
冷たい感じ。
…んふふ、ニノのこういうところ、
可愛いと思う。
素直じゃないなぁって思いながらも
頬を緩ませながらも。
「うん、反省してる。ごめんね?
メンバーの前であんなこと言っちゃって。」
『…ん、もういいから…
俺も、寂しい、て思ってたり…するし…?』
…ふふ。
ツンツンしたあとのデレとか
ほんとニノは可愛いんだから。
…ふふ、ふふふ。
『じゃあ俺、待ってるから、』
「ニノ、」
『ん?』
「準備、しといてね?」
『え?準備って…?』
「わかるでしょ。」
『…?…ぁ、準備って、まさか──…』
「そうゆうこと。」
それだけ言って
通話終了ボタンを押した。
…だってニノの声聞いたら、
したくなっちゃったんだもん。
