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タヌキのポエム

第3章 恋と現実と男と女

恋は突然訪れる。

好きな人はいっぱいいるけど、普通の好きとはちょっと違う。

どきどきやときめきが止まらない。その人を想うと苦しくもある。

こんな気持ちに気づいた時、それが恋の始まり。
大人の階段を一歩昇った瞬間でもある。

子供の恋。
一緒にいるだけで楽しいし、幸せ。
その人を想うだけでときめきが止まらない。

ただ、それだけで自分は世界一幸せだと思わせてくれる魔法。

こんなピュアな恋は大人の階段を昇るに連れて失われていく。もう取り戻すことはできない。

思春期にまで大人の階段を昇ると、恋は性を伴うようになる。

キスがしたい、抱きしめたい、裸が見たい、もっと、もっといろんなことがしたい。

ただ一緒にいるだけで幸せなんてありえなくなる。
相手は恋だけでなくてセックスの相手でもなければいけない。

セックスをする時には避妊をきちんとしなければダメだよ。生理はどのくらいでくるの❓それがないと事態は深刻だよ。

これが、初めて直面する男と女の厳しい現実。

どうすれば相手の気を引ける❓キスやエッチをするにはどうする?
恋のかけひきを覚えるのもこの頃。

やがて、もっと大人の階段を昇ると恋は打算に変わる。

自分になびいてくれる人、セックスをしてくれる人はとりあえずゲットしておくか。

時にはいっぱいおカネを使ってでも相手を繋ぎ止めることもある。

いろんな人と交わりながら誰が一番か品定めをする汚い計算もする。

もはやときめきは二の次、三の次。

結婚期になるともはや恋は現実でしかない。

この人と生活していけるの❓
親や家族や親戚はどんな人たちなの❓
収入は❓
親とは同居か別居か❓

時には子供ができたという現実のみで結婚することもある。

結婚してしまえばひたすら現実。
子供を育て、相手がイヤでも嫌いでもとにかく生活していくしかない。
生活をするに連れて相手のイヤなところばかり見てしまう。

子供にはもっといい人と結ばれてほしい。
まだ見ぬ子供の恋になくしていたときめきを夢見る。

そして、この現実から逃避するために不倫の恋に走る。

不倫は元々が不純だから汚れた恋。
でもときめきはそこにある。
背徳からくる負のときめきだけど。

もしも願いが叶うなら、子供の頃のような一切の汚れもないピュアな恋がしたい。

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