テキストサイズ

虹色の精霊に導かれて…

第7章 ハワイの夜 1泊目 ①

松本視点

N「でしょ!
 俺もその時言ったよ。
『飛行機は新幹線の様にいきなり乗れませんよ!』って」

 ニノがこんなに感情的に話をしているのは珍しい。


(そうとうだな…)


 思ったことを直ぐ口にしてしまう俺とその場では発言せず、後で意見を言うコイツ。

ニノと俺は真逆の性格で、同じグループで同じ歳よく比較された。
俺の方が少し先に事務所に入って、誕生日が少し下という年間同期で順番つけられた時困る微妙な関係。

こう長くなれば、どうでもいいことだけど、ちょっとライバル意識があった時もあったなぁ


N「全く、大野さんの行動は読めませ…ん、潤くんなに?」

 話に夢中になっていたのか、俺がベッドの横に座った時、少し怯えた様な顔をした。


(リーダーの事だけじゃないんだろ?
 自分の口からは言えないなら、言わしてやるよ…)

「その時、相葉さんは?」

 ニノの口が「え?」っと動いたけど、声になっていない。


 ニノの瞳が潤むのがわかる。

N「いましたよ、横に…」
 ふーっと息を吐いて、下を向く。


「大丈夫?」
 ニノの躰をそっと抱きしめた。 

(その感情を俺にぶつけとけ…吐き出す場所が無いんだろ?)


N「なんとか、もたせましたよ。じゃなきゃ、ココにいないでしょ?」
 ニノが俺の二の腕をポンポンと叩いた。

(たく…わかってないなぁ)

「そうじゃない。ニノの方だよ」
 俺はニノの目を見つめる。

(言葉にすると、反対な事言うだろ?)


N「ふふ。私を誰だと思っているんですか?天然の扱いは慣れてます」
 強がりの二宮全開の顔をしている。

(また、強がる…今は俺しかいなんだぞ…)

「でも、二人同時は厳しいでしょ?」
 もう一度、しっかり目を合わせて言う。


N「……ぶっちゃけ、泣きそうでした」
 観念したのか、小さい声で気持ちを言った。


「よしよし。ニノはよく頑張った」
 素直な気持ちを言ってニノの頭を撫ぜてる。

(なんか、翔くんになった気分だ…)

N「笑い事じゃありませんよ。
  頼みの綱だった翔さんもZEROの所為なのか『翔ちゃん』になってくれないし…」

(あ。通常運転にもどったな。よかったじゃぁ俺も!)

「『潤ちゃん』してみましたけど?」
 素の俺で笑ってみた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ