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虹色の精霊に導かれて…

第16章 ハワイの朝

二宮視点

ホテルの屋上のさらに上の〝雲〟の上で、
ハワイの蒼い空と碧い海の間から出てくる

太陽をただただ見ていた。



日出が、朝日となり、

すがすがしい朝へと変わって行く頃


スルスルと俺の体を昇ってくる暖かい者。

意識体の俺にとって、その感触は‘お嬢’達しかない。

≪お嬢…もうそんな時間?≫

お嬢は返事の代わりに俺の頬をふあふあな頬をすり付ける。



……

少し体が震え…流れるはずのない水滴が頬をつたった気がした。


{和也さま?}
お嬢の声が聞こえる


≪……ぁ…体に戻ろうか…≫

頬を擦ってお嬢に声をかけた。

 お嬢はジッと俺を見つめる。

{私は雅紀様のお傍に戻ります…しばらくは…お話も難しいですね…}

 少し寂しそうに笑うお嬢。

≪そうだね…雅紀を頼むね≫

お嬢の大好きなアイドルスマイルを贈る。

 お嬢は鼻息を荒くして、高揚する。

{雅紀様のお体は、この‘お嬢’めが力ある限りお守りいたします。
 お心は、どうか和也さま 〝嵐〟さま方がお守りください。
 触手の脅威はいつでも蔓延っております}


≪ああ…猴や楓の心残りを拭ってやらないとな…≫


 フワッと雲から飛び降りるカズナリ。

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