テキストサイズ

秘密

第17章 前進

※大野side

「話して?」
ソファに座って俺の第一声がそれだった

ルナは着ていたパーカー、Tシャツ、タンクトップを脱いだ
俺はびっくりした
たとえ守るべき人とはいえ女の子であって16歳だ

幸いブラジャーまでは取らなかったが
とにかく目のやり場に困った

「大ちゃん、見て」

そう言ってルナはお腹をさする

「お風呂に入ったときにね、これ、見るのが怖かったの。なんでこんなになっているのか、全然思い出せなくて、お医者さんに聞いたら、それはキスマークだよ、って言われて、でも分からなくて。ルナ、キスなんてしたことないし、されたこともないから、…//」

ルナは照れながらも話してくれた
お腹にはまだキスマークが残っていて
確かに誰につけられたのか分からないのが
自分についているなんて想像しただけで吐き気がする

俺はルナのお腹に手を当てて話した

「これは…、確かに気持ち悪いかも知れないけど…」

気にすんな。こんな言葉言えなかった
ルナは本気で悩んでいるのに
この一言で終わらせたくはなかった
終わらせちゃいけないって

「相手が誰か分かってたらいいの?」

不意に出た言葉
自分でも意味がわからなかった

「誰でもいいってわけではないけど、わかってたほうがまだまし」

その後おれは人が変わったようにルナを押し倒し
キスマークを上書きした

アイツと同じところにキスをしているだけで
気持ち悪くなってくるが
ルナの為。こう思えばなんでも出来る気がした

そのままお腹に顔をつけると「好き」と呟くように言っていた

ルナはおれの頭に手を乗せると
「ありがとう…でも…」

「翔ちゃんなんでしょ、」

おれは顔を上げてルナを見上げると

「なんで……」

って困ったような顔して言うんだ

「寝言で言ってた」

そう言うと顔が急に赤くなってすごく可愛かった

この子に好きでいてもらえる翔ちゃんは幸せ者だなってつくづく思った

ストーリーメニュー

TOPTOPへ