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秘密

第17章 前進

「おかえりなさいませ。学校どうでしたか?」

「うーん。ルナにはやっぱり無理かも」

「そうでしたか。でも1日行けただけでも大きな一歩ですよ。お疲れ様でした」

「うん」

その一日の半分以上を1人で過ごした
なんて言えなかった

そのままテレビ局に向かった
大ちゃんから「俺らの楽屋おいで」ってメールが来てたのに、ルナは「収録終わったら行くね」って返信した

今日は一曲歌うだけ
だから早く終わった

歌っているときは忘れられるけど
あのとき言われた
【ルナはいないのと同じ】
この言葉が頭から離れなかった

嵐の楽屋に向かう途中窓の外を見てみた
いつぶりだろう
窓から外を見るなんて
午後6時の空
日が沈むのが早くなってきたから月が見える

キラキラに輝く月
廊下には人がいなくてまさに
時間が止まっているような感覚だった

「ルナ」

後ろを振り返っても誰もいない

「ルナ」

聞き慣れた声

「パパ…?」

月を見てみるとパパがいたんだ

「ルナ…ごめん…1人にさせて…」

かすかに聞こえる声

「パパ…帰ってきてよ。一緒にご飯食べよ?もう1人でご飯やだよ。」

「俺はもうそっちには行けない…ルナ…おいで…」

「行く、パパのところ、そしたらもう1人じゃない?」

「うん、絶対だ…もう離れない…」


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