テキストサイズ

秘密

第25章 2人

※大野side

めちゃめちゃ急いで風呂上がってリビングに戻ると
ソファの上で小さくなって何かを描いてるルナ

後ろからそっと覗くとそこにはたぶん俺とルナ


「なーにかいてるの?」

声をかけるとまたふぇっ、ってw

みちゃダメって言われても見ちゃったもんなぁ

「はいはい」

っていいながら俺はキッチンに向かった

特にすることもなかったけどなんとなく


「できたぁ!」

ルナが駆け寄ってきて「はい!」って
渡されたのは俺とルナが額をくっつけて向かい合ってる絵

さっきみたのより全然すごい

「これ、ルナが描いたの…?」


「さっき見てたでしょw」

この鉛筆の使い方といい色の重ね具合
俺はさっきルナが座っていたソファを見た

……12色?!

こんなん100色以上の色鉛筆使ってる俺が馬鹿みたいじゃんか


スケッチブックから破られた後すら美しかった


「ありがとう、ルナ」

「うん!」

「あ、そうだ」


額縁あったよね
本当は違うことに使う予定だったけど
予定変更

この絵飾る


「ちょっと待ってて」

俺は走って小さな絵を描く程度のアトリエに額縁を取りに行った

すぐに戻るとルナは俺が持ってる額縁を見て

「飾ってくれるの?」

って嬉しそうな顔で見つめてくる

また鼓動が早くなった

「だってこの絵俺気に入ったんだもん」

「やったぁ!」

ルナの視線を感じながら俺は紙より少し大きめの額にそれを収めた


画鋲を持ちせっせとテレビの横に持っていく

俺が1番目の行く場所がここだったから


「ここでよし!どおルナ」

「大ちゃん!」

そう言って抱きついてくる

「ありがとぉ…」

消え入るような声

「大切にするね」

「うん」


俺を見上げる目には涙がたまっていて
指で拭ってあげるとすぐにいつもの笑顔に戻った


悲しくて泣くより嬉しくて泣くほうがよっぽどいい


ストーリーメニュー

TOPTOPへ