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秘密

第26章 伝

※二宮side

規則正しく聞こえる寝息

ドクッドクッと耳元で聞こえるこの人の鼓動



俺抱き枕じゃねぇんだけどな…

寝ようとしても寝れない

だから上手く抜け出そうとしたのに
少し動くだけで腕の力が強くなる

わけわかんないよ

俺はゆっくりと顔を上げた

長いまつげ
スラッとした鼻
薄いけどエロい唇

こんな下から見てもイケメン

いつもダラダラしててジャニーズかすら疑っちゃうぐらいおじさんなのに。

手を伸ばして大野さんの頬に触れる
さっきしてくれたみたいに


そうするとゆっくりと目が開く

頬から手が離せずにいた俺に「…なに?」って
見下ろしてくる


恥ずかしくなって俺は大野さんの胸に顔を埋めた

でもすぐに顎を持ち上げられて上を向かされる


「言ってみ?」

こうやっていろんな人をドキドキさせてるんだこの人
罪な奴だよ


「なんでもないっす」


さっきまでの立場が逆転してる
あの弱そうなおじさんはどこにいったんだよ


そう思っていたらズルズルと大野さんの体が降りてくる

目の前にある顔

俺らは額と額をくっつけていた

お互いの鼻息がかかる
目を見れば同じように俺を見つめてくる

目を閉じたかと思えば視界が暗くなる

唇に触れる感触

俺…キスしてる…


でもそれは一瞬の出来事だった


「俺…お前のこと好きだよ」


………え。
今好きって言ったよね?
でもこの前ルナのこと好きって言ったじゃん

俺だってルナのこと好きだけど



「恋愛としてかどうか分かんねぇけど」


「それなら俺だって…」

「え?」


「俺だってあなたのこと好きですよ?ずっと前から。恋愛としてとは思いたくないですけど、だって俺ゲイじゃないし」


「やっぱ変だよな。男同士なんて。ルナのこと好きなのに、なんでかニノのことも考えちゃう。」



何かが変わった気がした
俺の中で
ルナに対する好きと
大野さんに対する好き

同じなのかな

どっちが好き?って聞かれても答えられない
どっちも好きなんだ
でもどっちも1番で
それもジャンルが違うみたいな

上手く説明できないけど
俺どっちも欲しい…

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