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秘密

第2章 事実

長瀬くんの楽屋に入るのは初めてじゃないし
でもやっぱり人気で広さ変わるんだなって実感する

「さとしくん」

「どうした?」

「パパってなんで学校行けって言わないのかな?」

「ルナの好きなようにして欲しいんだよ」

「ほっとかれてるんじゃなくて?」

「それはないだろーっていきなりどうしたの?」

最初はね学校に行ってたんだ
最初って言っても入学式の1回
それも小学生

とても学校に行ったとは言えない
だって授業受けてないんだもん

耐えられなかったんだ

狭い教室に40人近い同じ年の子がいるの

今でも慣れない

ライブのときはね同じ年の子もたくさんくるよ
でもその人たちはみんな味方なんだ
責められることもないみんなが応援してくれる
安心するんだ

時々不安になるの

「ルナってさ学校行ってない分頭悪いし、言葉たくさん知らないし、大丈夫なのかなって」

「いいんだよ、ルナはルナのままで。本当にこれじゃまずいって思った時少し勉強すればいい。勉強できる場所が学校だけとは限らないだろ?」

「そうだね…」

いつもこう

長瀬くんはルナのくだらない相談に付き合ってくれるんだ

長瀬くんはルナのことたくさん知ってる

パパと仲良いから、これが一番の理由かな

「じゃ、俺撮影あるから2時間ぐらい戻ってこないけど、いい子にできるな?」

「うん、いい子してる」

ポンポンと頭をたたくと出て行ってしまった

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