テキストサイズ

秘密

第9章 絆


ふと目が覚めた
外はまだ真っ暗でベッドについていた時計を見ると
1:50

まだまだ夜だ
でも普段2度寝なんてしないし…
このまま起きてようって思った

リビングに行こうとしたけどカズくんの腕があってなかなか抜け出せない

そっと腕をどかして寝室を抜け出した

不意にベランダに出てみると
いつも見るよりもすごく大きい月があったんだ

その月に吸い寄せられるように柵に手をかけていた

こんな時間に外に出るなんて初めてで
夜にベランダに出るのも初めて

大きい月に手を伸ばしてみた

いつもすっぽり入るそれは小さな手に収まりきらなくて

近いんだって勝手に思う

【死んだ人は月になる】

パパが言ってた言葉
心配で見に来たのかな?なんて思ってみたり

手を伸ばしながらひたすらに考えてた

いつパパにまた会えるんだろう



?「ルナ!ルナ!ダメ!!!!」

「か、カズくん?」

寝室から急いで来たように
カズくんは息を切らしながら叫んでた

ベランダまで来ると
すぐにぎゅって強く抱きしめられた

二「遅くてごめん…気付くの遅くてごめん…」

「どうしたのカズくん?ルナ大丈夫だよ?」

二「ルナは大丈夫でも、俺が大丈夫じゃないの、」

ルナの耳にぴったりくっついてるカズくんの胸
そこからはずっとずっと早い鼓動が聞こえてくる

「カズくん……」

カズくんの腕を解きちゃんと目を見る

二「俺…ルナのこと守るって決めてるの…強くなるって…だから…俺から離れないで…俺もルナから離れないから…」

「離れないよ…ずっと…ずっと…」

【ずっと】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ