テキストサイズ

秘密

第2章 事実

ただ叫ぶことしかできなかった
「パパ!パパ!」って

そのうち廊下からすごい足音が聞こえてきて
一気に病室に駆け込んでくる

みんなお医者さん
その中に外で待っていたらしい長瀬くんもいた

「マッチさん!マッチさん!」
ってずっと言っているんだ

なにがどうなっているんだ

お医者さんは今日の日付時間を言って
繋がれていた機械を全て取った

死んだんだ…

パパが……

「ルナ…これ読め」

長瀬くんが渡してきたのは2つの封筒

それを受け取ると封筒には『ルナへ』もう一つは『嵐へ』

なんで嵐?って思いながらもとりあえず自分宛の手紙を読む

「ルナ
この手紙を読んでいるってことはパパはもう月になってしまったのかな?
パパはルナとくらしていてとても楽しかったよ
ママが出て行った時からあまり話さなくなったね
それでもルナといるだけでパパはとても幸せだった
パパと約束して
1.さっくんと仲良くすること
2.辛いことがあったらながせくんにそうだんすること
3.晴れた日は月を観測すること
4.パパのことで泣かないこと
ルナに家族と呼べる存在の人はいなくなっちゃうけど
いつでもパパはルナを見守っているよ
心の中にパパがいるって忘れないでね
最後に嵐にあてて書いた手紙
ルナは読んじゃだめだよ
ルナの手から直接わたしてあげて
お家に帰ったらリビングのたなの上から3番目の引き出しを見て
そこにはパパからのおくりものが入っているよ

今まで本当にありがとう

パパより」

難しい漢字がなかったからスラスラ読めた

もう涙は出なかった
約束守らなくちゃ

「帰りたい」

その一言だけ

なにを察したのかは分からないけど
長瀬くんは「うん」と一言だけ言ってその場を去った


ストーリーメニュー

TOPTOPへ