テキストサイズ

秘密

第14章 言えない

※大野side

俺らは再びルナの楽屋に向かった

聞き出そう
俺らしかいないから

〈コンコン〉

「はーーい」

元気な声
さっきの顔からは想像できないような

でもドアを開けてからは違かった
俺らの顔を一度見ただけでそっぽを向いてしまった

「…ルナ?」

「……なに」

俺らを突き放すような声

「俺らになんか隠し事してない?」

その時一瞬震えた肩を見逃さなかった

「な、なんにもないよ…」

季節は秋だけど
室内でパーカーを着るには早い
それなのに腕まくりもせずに着ている

なにを隠しているんだろう

松「じゃあさっきの歌、なに?」

「えっ…」

聞かれていたことに本当に気づいてなかったんだ

松「あれどんな思いで歌ってたの?俺らに【助け】求めてたんじゃないの?」

戸惑いを隠せないルナ
なかなかこっちを向いてくれなくて

「ルナ、こっち向いて?」

顔を見てちゃんと話がしたい
恐る恐る顔をこちらに向けしっかりと見てくれた

その目にはたくさんの涙が溜まっていて
瞬きと同時に溢れていった

「言えないの…言えないの…言っちゃダメなの…言っちゃ……」

その繰り返しだった
俺らに言えないこと

「ルナ落ち着いて?」

俺はソファに座っているルナの前にかがみ目線を合わせる

「どうして言えないの?ちゃんと教えて?」

「…ダメなの…誰にも言っちゃダメなの………じゃないと……」

「じゃないと??」

「…嵐が…傷つくから……」

俺らが傷つく?
なぜ?


櫻「ルナ、俺らは大丈夫だよ?だから話して?」

翔ちゃんも俺と同じような体制でルナに話しかける

「でも…誰にも言っちゃダメって…言われたから…」

「誰に言われたの?」

「ディレクターさん…」

ディレクター…
意外だった
もっと身近な人だと思っていた
それが俺らでもおかしくないって思っていたのに
でもなんでルナがその人に苦しめられているの?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ