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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

ほら、北浜先輩のお世話もしてるし。なんて軽口をたたきながら葵に視線を送る寺石。



「理不尽なことで絶対怒らないですし、やる気出させるの上手いし。」


「ほ、褒め過ぎだ....!」



「ほんとのことですもん!」



だから俺らの代は榊先輩のことみーんな好きですよ!なんて、嬉しいことを言ってくれる。俺があまりに哀れすぎて気を遣ってくれたんだな。後輩にそんなことをさせるなんて、先輩失格だ....




「ありがとな....」



「いえ!先輩を好きな人が、必ずどこかにいますよ!」



「ははっ、お世辞でも嬉しいな。」



お世辞じゃないのにー、なんでブスくれてる後輩に愛しさが募る。恋愛的な意味じゃなくて、だが。




「でも、しばらく恋愛はいいかな....好きでいる側には疲れたんだ....」



「そうですか....」





何故か自分のことのように眉を下げる寺石を見て、こいつも大概やさしいやつだよなと思う。

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