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0時の鐘が鳴る前に

第1章 菜津子の部屋

「あー、今日は先約あるの。明日なら空いてるよ」

こっそり呼び出された放課後の体育館裏で、私はスケジュール帳と睨めっこしていた。

「まじ?じゃあ明日は俺に付き合ってよ!」
「おっけー、財布忘れないでね」

別に付き合うっていうのは、恋人になるって事ではない。だって鈴木くんは友達の彼氏だし。


短い言葉を交わすと、彼はすぐにその場を立ち去る。


残された私は、今日約束をしている高橋君のことを思い出して、

急いでカバンにスケジュール帳をしまった。


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