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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

玄関をくぐると、私は真っ先に自分の部屋へと駆け込んだ。



ばかだ、私!



手に握られたままのイルカを見ながら、ベッドに倒れこむ。


…広末さん良い人だから、断られるなんて思ってなかった。


なに調子乗ってるの、ばか!


そりゃ、こんなのもらっても迷惑だよね。
本物の彼女じゃないのに…

さっきまで浮かれていた自分が途端に恥ずかしくなって、2匹のイルカを小物入れに入れて鍵をする。

…封印完了!!!


「絶対に、広末さんを好きにならないこと!

100日間の、恋人ごっこ!」


自分に言い聞かせるように呟くと、余計悲しくなってきてしまう。


あ、パーカー返すの忘れてた……


彼の匂いがするそれを脱いで、ハンガーにかける。

洗って返そ。


私はしばらくそのパーカーを眺めながら、

動くことができなかった。
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