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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

*** 菜津子side ***

久しぶりの雨が肌寒い夕方。
私の悲しい声がジャズと一緒にカフェテリアに溶けた。

「わたし、彼氏がいないだけじゃなくて……
恋をしたことがないんです…!」

あ〜、ついに言ってしまった。トップシークレットだったのに。

雨の日は滅多にカフェに足を運ばない私が、傘を差してまでやって来たのは彼に会うため。

1人でここに来るのは初めてかもしれない。

自分の言葉に自分で項垂れる私は、3日前に私の彼氏役になった広末さんの笑い声で顔を上げる。

「笑い事じゃないんですよ!深刻な悩みなんですからね!」

「…っよくそれで恋愛相談受けられるな」

頬を膨らませる私を見ながら、肩を震わせる彼の一言が

1番気にしていることを的確についてくるから辛い。

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