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秘密中毒

第14章 最後日



ヴーーーーッ

聞き覚えのあるモーター音。

まさか。


「や!!やめて!」

言いながら、太ももの裏にあたる小さなローターの振動に、身体が跳ねる。

とっさに足を閉じようとしても、
山田くんの両ひじで抑え込まれてしまう。

「何?これ、嫌い?」
山田くんが聞いてくるけど、きっとやめてくれるわけじゃないと思う。


昔の記憶がよみがえる。
機械で達してしまって、彼の機嫌を損ねたこと。

「だめ。それ、感じすぎちゃうから…!」

暗闇に乗じて、つい正直になってしまう。

その間にも、じわじわと秘所の周辺を動くローター。

「うわ、なにカワイイこと言ってんの? 余計にやめられないね」

山田くんの声がうれしそうに響き、次の瞬間、あたしの一番敏感な芽に触れる。

触れたものを弾き返すようにあたしの腰が跳ねた。

山田くんは用心深く、ローターが一瞬あたしの泣き所に触れるとまた遠ざける。

ただ押し付けるのではないそのやりかたに、あたしの身体は今までに知らない快感を覚えてしまう。

そのたびに悲鳴に近い声を上げて。回が重なるごとに快感が深くなる。

「やだぁ…っだめ…なのっ!

あ! あ!」


「こんなに気持ちよさそうなのに、なんで嫌なんだ」

山田くんは手を休めずに話しかけてくる。

「機械でっ…イッちゃうの、うれしくない…でしょ?」

やっとの思いで答えると

「なんだ。そんなこと気にせずにイけよ。」


そうなの?と聞き返す余裕もなく、山田くんの操るローターに追い詰められる。


「そのあと俺が、もっと気持ちよくしてやるから」


その言葉を聞きながら、あたしの背中は弓なりに反り、黒い視界に真っ白な花火が上がった。






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