
秘密中毒
第8章 恋慕
朝。
――――まぶしい。
カーテンからこぼれる朝日が、目の周りでちらつく。
(今年こそ夏になる前に遮光カーテン買わなきゃ…)
体を反転させてカーテンの隙間を合わせようとしたあたしの目の前に
「なん…で?」
山田くんがいる。
狭いベッドの上で、あたしが寝返りを打ったために半分彼に乗っかるみたいになってる。
寝ぼけた頭で昨日の記憶が急速によみがえる。
ごはんのあと、しょうが湯を入れてくれて…
あたしが寝るまで見ててやるとか言い出して…
寝たら鍵をかけてポストに入れて帰るとかって…
あたし、いつの間にか寝ちゃったんだ。
(で、なんでこの人があたしのベッドに……?)
状況はうまく理解できないけど…
あたしの身体中が言ってるのはわかった。
―――離れたくない―――
って。
彼の腕に触れてる胸も、彼の太ももに触れてるひざも。
熱くて、心地良くて、もどかしい。
熱がまだあるのかどうかは、自分ではわからない。
わからないくらいに、あたしの全身が熱い。
(…好き、かも)
