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秘密中毒

第12章 告白



(最後はあやとりって、呼んでくれた…)

激しい行為の余韻も冷めないうちに、山田くんは帰っていった。

あの濃厚なキスをして、「またな」と言った。

あたしの秘密がばれたんだと思ったんだけど、何か聞かれることもなく。

だからあたしは弁解の機会も失ったんだ。

葛西くんとはあれっきりだし、卓也さんとは終わりにしたってことを―――山田くんに言えなかった。

あの人とはずっとセックスレスで、だから今のあたしには、あなただけだと。



…言えたらどんなにいいだろう。


「ふっ…」
自嘲的な笑みが自然と浮かぶ。

だめだよ。

そんな重たいこと、
「遊び相手」の彼に言えるわけがない。



言っちゃいけないんだ。


……………………

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