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声の魔法2

第1章 二人で

『あの・・・』

「ん?」

『昨日、テレビから聡さんの声が聞こえてきて、あの・・・心地いい声で・・・なんて言っていいのか・・・一目惚れして・・・』

何言ってんだろ、私。


彼は優しく微笑んで

「ありがとう」と言ってくれた。

恥ずかしくって顔を上げられない。心拍数が上昇してるのが自分でもわかる。


「やっべぇ、可愛い」とギュッと抱きしめられた私は、頭が真っ白になってしまった。


「昨日の番組はあれがナレーション初めての仕事でさ。すっげぇ緊張してたんだ。聞いてくれてて嬉しい。」

「半年くらい前にめぐみちゃん見かけて、可愛いなって思ってた。」

『えっ?』

「駅で小銭落とした時、一緒に拾ってくれたの覚えてる?」

『あっ・・・』覚えてる。

「思い出した? あれから君を探してた。なかなか会えなかったけどね。」


彼が耳元でささやく。

「やっと会えた」もう一度抱きしめられ、体が震える・・・この声、とろけそう。

私はそっと彼の背中に手を回した。

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