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過去に戻る男

第1章 過去に戻る男

「臭いに不審に思った管理人が警察を呼び、bちゃんの遺体を発見しました」
現場らしき場所の中継に切り替わる。
「警察は、bちゃんの母親のcさんがなんらかの事情を知っているとみて行方を探しています」レポーターが続けた。

c…その名前を聞いた瞬間、Aの中に懐かしい感情が溢れだした。

それは、ずいぶんと前に結婚したと風のうわさできいていた、昔の恋人の名前だった。

それからの数日間、aは事件の事を調べる事に大半の時間を費やした。

確認すべき事は3つ、アパートの場所と死亡推定日、そして自身のその日の行動。

とは言っても作業自体はそれほど難しいことではなかった。大抵の事はネットで調べられる、住所だろうが参考人の写真だろうが。

住所が分かったaはいても立ってもいられず、過去に意識を飛ばしアパートに向かう。

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