
素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
確かこの近くにあったはず……
焦りから早くなる足取りに
必死についてくる和也くん。
チラッと時計を見ると、もうすぐ8時。
閉店時間を確認を確認するより、
直接行った方が早いな。
「ね、あそこで待ってて!ね?」
たまたまあった公園を指差した。
「絶対に、待っててね!」
突然の事に戸惑う和也くんに待っててと
手でジェスチャーしながら俺は走った。
こんなに誰かのために走ったのって久しぶりだ……
あった!
俺は激突するんじゃないかってくらいの勢いで
店のドアを開けた。
「すみません、もう閉店で……」
奥から出て来た定員さんが、
申し訳なさそうに謝ってくる。
その言葉を証明する様に
ショーケースの照明は消され
ケーキも残っていない。
「あの……どうしても……ケーキが欲しいんです!」
上がる息を整えながら俺は頭を下げた。
俺しか、和也くんの誕生日をお祝いできないんだ。
「余っている分でも大丈夫ですか?」
バッと顔を上げると、トレイに乗った
イチゴのショートケーキを持った
別の店員さんが奥から出て来た。
「えっ?はっ、はい!大丈夫です!」
必死な俺の様子を見て同情したのかもしれない。
でも……それでも……
俺にとっても和也くんにとっても
このケーキは必要なモノ。
「ありがとうございます!」
店を出ると同時にに小さな箱を持って走る。
そして祈るような気持ちで
スマホをタップして耳に当てた。
『はい。もしもし。』
すぐに聞こえた和也くんの声。
『帰っちゃった?』
頼む、待っててくれ……
「まだ、いますよ。どこにいるの?」
『良かった…待ってて!ね?絶対に!』
俺は箱を揺らさない様に必死に走ると、
さっき見た公園に到着した。
中に入って辺りを見回すと、
すぐに和也くんを見つけた。
今……何を考えてる?
夜空を見上げる寂しそうな猫背な姿に、
再び走り出さずにはいられなかった。
焦りから早くなる足取りに
必死についてくる和也くん。
チラッと時計を見ると、もうすぐ8時。
閉店時間を確認を確認するより、
直接行った方が早いな。
「ね、あそこで待ってて!ね?」
たまたまあった公園を指差した。
「絶対に、待っててね!」
突然の事に戸惑う和也くんに待っててと
手でジェスチャーしながら俺は走った。
こんなに誰かのために走ったのって久しぶりだ……
あった!
俺は激突するんじゃないかってくらいの勢いで
店のドアを開けた。
「すみません、もう閉店で……」
奥から出て来た定員さんが、
申し訳なさそうに謝ってくる。
その言葉を証明する様に
ショーケースの照明は消され
ケーキも残っていない。
「あの……どうしても……ケーキが欲しいんです!」
上がる息を整えながら俺は頭を下げた。
俺しか、和也くんの誕生日をお祝いできないんだ。
「余っている分でも大丈夫ですか?」
バッと顔を上げると、トレイに乗った
イチゴのショートケーキを持った
別の店員さんが奥から出て来た。
「えっ?はっ、はい!大丈夫です!」
必死な俺の様子を見て同情したのかもしれない。
でも……それでも……
俺にとっても和也くんにとっても
このケーキは必要なモノ。
「ありがとうございます!」
店を出ると同時にに小さな箱を持って走る。
そして祈るような気持ちで
スマホをタップして耳に当てた。
『はい。もしもし。』
すぐに聞こえた和也くんの声。
『帰っちゃった?』
頼む、待っててくれ……
「まだ、いますよ。どこにいるの?」
『良かった…待ってて!ね?絶対に!』
俺は箱を揺らさない様に必死に走ると、
さっき見た公園に到着した。
中に入って辺りを見回すと、
すぐに和也くんを見つけた。
今……何を考えてる?
夜空を見上げる寂しそうな猫背な姿に、
再び走り出さずにはいられなかった。
