テキストサイズ

素晴らしき世界

第8章 我が家の可愛いサンタさん

【翔side】

夕飯を食べ終え、
俺と潤で片づけをしていると、

和「まさにぃ、
サンタさんにてがみかくー」

漫画を読んでいる雅紀を呼んだ。

雅「潤!俺、忙しいから
代わりに手伝って」

潤「俺だって忙しいっつーの!」

「和のところ行ったあげて」

潤「でも……」

和の方を見るよう目配せすると

潤「……わかった。
よし、和!サンタさんに手紙書くぞー!」

悲しい顔をしていた和が
潤の言葉を聞いて

和「うん、てつだってー」

笑顔で潤と色鉛筆と折り紙を
取りに行った。

夕飯の片づけを終えて、
雅紀の元へ行き頭を叩いた。

雅「いてっ!」

「漫画読んでるなら、
和を手伝ってやれ!バカ」

雅「漫画ぐらいゆっくり読ませてよ」

珍しく雅紀が歯向かう。

「いっつも読んでるだろ!」

雅「うっせーな」

俺の胸倉に掴み掛ってきた。

和「けんか、だめー!」

俺と雅紀の足にしがみ付いた。

「和……」

和「まさにぃ、ごめんなさいして?
しょうにぃも、ごめんなさいして?」

目を潤ませて俺と雅紀を交互に見る。

雅紀は掴んでいた手を離して

雅「ごめん、学校で嫌なことあって
翔にぃに、八つ当たりした……」

俯く雅紀の肩をポンポンと叩いて

「俺も言い過ぎた。悪かった、雅紀」

和「なかよし、した?」

「もう、大丈夫だよ。和」

頭を優しく撫でた。

和「じゃあ、みんなで
サンタさんに、てがみかくー」

「よし、みんなで書こう!」

みんなでテーブルに座ると

智「ただいまー」

バイトを終え、帰ってきた。

雅潤「おかえりー」

和「おかえり、さとしー」

立ち上がって、智の元へ走る。

智は和を抱きとめた。

和「さとしも、
サンタさんにてがみかくー」

智「手紙?」

和「サンタさんにおねがいするー」

智「わかった。
手を洗ってくるから待ってて」

智も揃ったところで、
サンタクロースに手紙をみんなで書いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ