テキストサイズ

カミカゼ短編集

第1章 「翔くん。絵、見に来る?」     …O×S

ハァハァと肩で息しながらも

「…飲まないでよ…?」

釘を刺すと
智くんはようやくティッシュを口に当てて吐き出した


「濃いね」

「…そういうのは言わんでよろしい」

「だいぶ久しぶりだもんね」

「…まぁ…、そうだけど…」


確かに最近お互い忙しくて
こんな時間は作れなかった

だけど

このやり取りっておかしくないか?

まるで俺が智くんとしかセックスしないみたいじゃん

まぁ事実そうなんだけどさ

別に俺らは付き合ってるワケじゃないし

そもそも智くんは俺としかセックスしてないとは限らないし

こういうのって困る

どう答えていいか、分からなくなる



心の中で悶々と考えてる内に

後ろの秘穴にローションの冷たい感触がした

「えっ!?待ってよ!」

俺の言葉を無視して
指がツプッと入り込んでくる


「待てって!」

「待てない」

「なんでだよっ」

「久しぶりだからよく解さなきゃだし」

言ってる事は優しいのに、指遣いは性急で

グリグリと荒々しく穴を広げようとする


「クッ、あ…!止め……っ」

新しい快感に無理やり逆らって
足をバタつかせて抵抗してやる

意地でもこのまま流されるもんか


「こら、暴れんな」

「やだっ、俺だって…!」

「…何?なんなの」

ちょっとだけムッとしたように
智くんの口が尖るけど

気にしてられねーよ

俺は人形じゃないんだ


「…俺にも触らせてよ」

「…やだ」

「なんで」

「今翔くんに触られたらすぐ出ちゃう」

「…いーじゃん。1発ヌいとけば」

「やだ。翔くんのナカでイきたいもん」


『もん』じゃねーよ

可愛いこと言ってるけど大分我侭だからな?

いつもだったら絆されて流されちゃうとこだけど

今日は俺だって久しぶりで

アンタに触りたくてしようがないんだからね?


「…俺だってやだ。
触らせてくんなきゃ触らせねー」

「我侭言うなよ、翔くん」

「どっちがだよっ」

俺が言い切ると、
智くんはますますムゥッと口を尖らせて

仕方なさそうに
寝そべる俺の頭の上を跨いだ


ストーリーメニュー

TOPTOPへ