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現代好色一代男

第3章 E

 彼女や妻がいる男はうらやましい。
 いつか俺も女ができると考えていたけれどできることはなかった。
 しかたがないから福沢諭吉さんにお願いするしかない。
 そこでどうしようかと悩んでうんうんうなりながらとある温泉街に足を運んだ。
 巷は、クリスマスを過ぎ年末一色で、新年をむかえる人でごったがえしていた。
 だが、俺にはそういった年末年始のビッグイベントがあるわけでないのだがら気にすることはない。
 温泉街の一角にネオンまぶしい街があり、いままで忌避していたのだがやけっぱちになっていた俺は足を運ぶことにした。
 立ちんぼの男がよれよれのトナカイの着ぐるみをきながら手招きしたので、それにのり、無料案内所に入った。
 無料案内所をみてみると、とにかく若い女が多かった。
 もっとも、こういうものは鯖をよんでいるのであてにならない。

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