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キョウダイ

第15章 守られる愛






へたにキョウダイとして、いつも一緒に育ったから、尚更分からない。




ただ、体の関係をもってしまった。




快楽を教えられて、分からなくなっている。




このまま、この関係を続けていいのだろうか。




この家にあたしがいてもいいのだろうか。




ぐるぐるぐるぐる。




鍋の中をかき混ぜて、肉じゃがが少し、煮くずれしていた。








「おっ、いい臭い」




台所に海斗が現れる。




シャワーを浴びて、濡れた前髪をぐしゃっとタオルで、拭いている。




あたしのすぐ真後ろに回り込み、鍋の中をのぞいている。




ふわりとした石鹸の香りと、背後に感じる体温にドキドキする。




平静を装おってまな板の上でじゃがいもの皮を剥く。




じゃがいもが沢山あるから、ポテトサラダも作るつもり。




「なにつくってんだ?」





期待した目であたしの手元を見ている。





「ポテトサラダ、好きでしょ?」





「ハム多めでやれよ?」





「はいはい」





「ゆで卵も多めで」





「はいはい」





海斗は昔から良く食べる。





好き嫌いはほとんどない。





食べる事が好きで食事の時は機嫌よく、軟らかい表情を見せる。





何にでもマヨネーズをかけて食べる。





ちょっと可愛い。





そわそわうろうろしている。





でも乱暴で不器用だから、手伝わせない。





肉じゃがをつまみ食いしている姿を軽く睨む。





「邪魔しないのっ」





ぴしゃりと叱ると、またあたしの背後に回り込む。





ちゅっ。





後ろから、あたしの首筋にキスをする。





「もうっ、危ないでしょ?」





野菜を切る事に集中してるから、また海斗の顔を睨む。





犬みたいに甘えた顔してる。





「そんな顔してもだめっ」





海斗の唇があたしの首筋から離れていかない。





「もう、ダメだってばっ」





危ないから、野菜を切る手を止めて、包丁をまな板の上に置く。





ぞくりと感じる首筋から顔を背けて、海斗を睨みつける。





きらきら輝く瞳と目が合う。

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