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キョウダイ

第20章 残酷な意地悪





『葵ちゃんっ!』





奏ちゃんの、夢を見ていた。





あたしの名前を叫ぶ奏ちゃん。





何度も繰り返し呼ばれた気がして……。





ビクン、体が震えて目を覚ました。





ハッとして、回りを見渡す。




見覚えのある、天井、悠ちゃんのアパートだと気付いた。




すぐに体を起こそうとして、自分の体が動けない事に気付いた。




あたしの両手に、タオルが巻き付いて、拘束されている。




それだけじゃない。





あたしの左足にシーツが巻き付いて、ベッドの柵に繋がれていた。




両手はベッドに繋がれている訳じゃないけど。





あたしの体は、全裸だった。





異常な事態に戦慄して青ざめる。




ベッドの上でバタバタ体を起こそうとして、もがいてしまう。




「どこにも、行かれないよ?」





そんなあたしに、冷たい声がかかった。





悠ちゃんだ……!





相変わらず、いつもと違う表情。





どうしてだか、無表情で、いつも笑顔を浮かべているような、優しい表情だったのに。




ゆっくり近付いて来る悠ちゃんに、恐くなる。





「悠ちゃん、どうして、こんなことっ」





ゆっくり近付く、悠ちゃんが、あたしが縛られているベッドサイドに、きしりと座って、じっと見つめられた。




あたしを見下ろす、睫毛で陰る表情にゾクリとする。




「言っただろう、俺は嫉妬深いって、他の男の所に行かないようにする為だよ。
あんなに沢山愛し合ったのに、俺が君を満足してあげられなかったなんて、悪かったね」




「そんなことっ、な……にっ?」





悠ちゃんがローションのようなモノを、自分の手の平にのせて、あたしのあそこにいきなり塗られた。




「ああっ……?」





触れられた箇所がじんわりと熱くなる。





「すでに、濡れているね?
……さっきまで、明のモノを、くわえこんでいたからかな?
これは、お仕置きが必要だな?」




あたしを見下ろす瞳が、暗く鋭く輝く。





こんな表情見た事ない。





あたしのせいなの?

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