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声の魔法3

第2章 目撃

ピンポーン。


呼び鈴の音でハッとする。

もう一度それが鳴る。

足音を殺しながらソッと玄関に近づき様子を伺う。


聡だった。


「めぐみ、いる?」
そう言いながらドアを叩く。

先ほどまで会いたかったはずの聡がそこにいる。
ドアさえ開ければ手の届くところに…


めぐみはそれを開けることができなかった。


ベッドの脇まで戻り、目を閉じて耳を塞ぐ。



どれくらいの時間そうしていたのだろう、窓越しに見える景色はすっかり暗闇に包まれていた。


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