テキストサイズ

声の魔法3

第2章 目撃


〜聡side〜


事務所への挨拶も済み帰り支度をしていると朱里が声をかけてきた。


「聡君、カラオケでも行く?歌の練習しようよ。」


「うーん。今日はパスする。」


「え〜、じゃ〜ご飯行こ〜よ〜。」

甘えた声でしゃべる朱里が苦手だ。普段はハキハキしてる格好いい朱里だが、時々甘えたように話すときがある。
俺はこれが苦手だ。

「圭介は?」
そう尋ねると

「バイトがあるからって帰ったよ。」
とのこと。


「圭介いないんならまたの機会にしよう。じゃあ、お疲れさま。」


そう言って俺は朱里と別れ、駅に向かい電車に乗った。


…はずだったが、降車駅で朱里に声をかけられた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ