テキストサイズ

Sinful thread

第6章 色情

 


俺が思うよりもずっと、華奢で、細くて、弱々しい芽依……。


そして、何度も脳内で木霊する、芽依の嬌声。
その甘い声も、この肌の質感も、何もかも。


───そう、希美とは

何もかも違う。



比べている時点で、最低だ。



昨夜の行為は……
希美を一時でも忘れたかっただけの、俺の甘えなのだろうか。

それとも、今はまだ小さな、芽依への愛情───?



気持ちよさそうに眠る芽依のすぐ横でそんなことを考えている自分に、自分自身が笑えてくる。


答えなんかわかってるんだ。


俺は、自分を好きだと言ってくれた芽依を、不安を打ち明けてくれた芽依を、涙を流して必死で訴えかけてくれた芽依を……


無理矢理好きになろうとしてるだけだ。

愛情で抱いたんじゃない。
その裏には、きっと、あいつの姿を重ねてる───。



……それでも、今でもまだ、芽依を本気で好きになれるはずだと信じて。




 

※結果は非表示に設定されています
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ