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広大な緑が広がる草原。
カメラは、はるか上空から見下ろしながらまるで飛ぶように移動し、景色が高速で背後に流れていく。
カメラが前方を向き、はるか彼方に小さな4つの点を捉えた。
すぐにピントがその3つの点に合わせられ、画面がぐんぐんとズームしていく。
それは、3つの人影。草原に立つ、3人の少年少女たちだった。
さらにズームして視点が近づいていき、少年たちの横顔に順にピントがあわせられる。
赤い野球帽をかぶった少年は、まるで全身から元気を発散させているようだ。
その隣には、メガネをかけた少年。思慮深い表情で、まわりを見まわしている。
そんな二人を優しげな表情で見守っているのはおさげにした髪をピンクのリボンで結んだ少女。
誰もが希望にあふれた瞳をしていた。
赤い野球帽の少年が、満面の笑顔を浮かべて遠くを指差し、後を歩く二人に何かを言った。
声は聞こえない。カメラがとらえるのはごうごうと風を切る音だけだ。
左にカメラがパンした。
少年の指さす方角には、遥か先まで延々と緑の大地が続いている。
再び少年たちにカメラが向くと、3人は希望に満ちた足取りでその方向へと歩きはじめていた。
カメラは、勢いを弱めることなく、一直線に少年たちに近づいていく。
突然カメラがぐいと上に傾いた。
視点がぐんぐん上昇していく。
カメラが地面を見下ろすと、3つの小さな点となった先ほどの少年たちが真下にいた。
カメラは左に傾いたかと思うと、急角度で旋回する。と、同時に先ほどとは比べ物にならない速度に加速した。
背後では、少年達があっというまに地平線の向こうに消えていった。
カメラの前方、はるか彼方には、少年たちの目指しているであろう一面の青い海が見えていた。