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Aが意識を取り戻したときにはすでに、全身がカプセル状のケースに入れられていた。カプセルの中には謎の液体が充満している。
口の中にはチューブが押しこまれ、どうやらそこから酸素が供給されているようだ。
Aは身体を動かそうとしたが、まったく身動きがとれない。
目だけを動かしてなんとか自身の身体を見てみると全身のいたるところからチューブが飛び出ていた。
その時、Aの脳裏に映像がフラッシュバックした。
Aがホテルの自室でくつろいでいたその時、突然見知らぬ男達が部屋に乱入してきた。
Aはろくに抵抗する間もなく薬を嗅がされ意識を失った。
再度フラッシュバック。　Aは手術台にのせられている。両手足はバンドのようなもので台に固定されていて、必死に体をよじるが、動かせない。
頭蓋骨に響く振動。必死に目を上に向けると、白衣を着た医師のような男がなにやら作業をしていた。
その手に、一瞬巨大なドリルのようなものが見えた。
（僕の頭に穴をあけているのか？！）　Aは叫んだが、声がだせない。　かろうじて、くぐもったうめき声がでるだけだった。
荒い息をしながら、悪夢から目覚めたAは、透明なケース越しに辺りを見まわした。
真っ白な壁にかこまれた広大な部屋の中には、カプセルがいくつも並んでいる。
それぞれのカプセルには人が入れられているようだ。
（同じように誘拐されてきた人々だろうか）
突然　きいんという不愉快な音とともに視界が暗転し、Aは意識を失った。
気がつくと、真っ白で殺風景な部屋におかれたベッドに再びAは横たえられていた。
やはり、腕と足の付け根をベルトで拘束されており、身動きができない。
白衣を着た医者と看護師が視界に現れる。医者の手には巨大なのこぎりが握られている。
彼はその巨大な凶器をAの右足の付け根にあてると　おもむろに切断し始めた。
今までにないような激痛にAは声にならない絶叫をあげた。
すぐに気絶してしまう。
医者はそれにかまうことなく手を動かし続け、傷口をさらにえぐられる痛みでAはすぐに目を覚ます。
看護師がAの傷口に手際よく処置を行い、止血をする。
医者が切断されたAの足をかかえあげ、無造作に横のテーブルに置いた。
涙とよだれで顔をぐちゃぐちゃにしながら、Aはくりかえし気絶と強制的な覚醒を繰り返され、やがてAは痛みで暴れる気力も失っていった。