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君が書く手紙

第3章 翔太くんの約束







翔太くんの家から帰る新幹線の中で、私はじっと考えていた。



翔太くんは、どうしてドナーになろうと思ったんだろう。


叶恵ちゃんとの約束ってなんだろう。



せめて叶恵ちゃんに聞いてくればよかった。



ごめんなって、なんだろう。



私は、翔太くんのことをもっと知りたいと思った。



トクン、



そんな私の思いが伝わったみたいに、
小さく鼓動が鳴った。




ねえ、翔太くん。



もう一度、私の夢の中に出てきて。



そうして聞かせて。



あなたの声を。




あなたは後悔してませんか?



ドナーとして私に心臓を譲ってくれたこと、後悔してはいませんか?



私はどう生きていけばいいんだろう。



教えてよ。翔太くん。



あなたは、何を望みますか?




不思議。



もう翔太くんはいないのに。



会ったこともないのに。



全く知らない男の子なのに。



気になって気になってしょうがない。



私、あなたのために何かしてあげたいと思ってしまうの。



おかしかな?



おかしいよね。




そう思うと不思議とまた涙が出た。


頬を伝った涙は、私の掌にそっと落ちた。



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