
背徳教師
第10章 十時間目
『妻が……そろそろ出産するって…連絡が来たよ…
随分俺をほったらかしにしていたのに…
出産時は、側にいて欲しいって―――――…ワガママだよね』
俺は、イヤホンから聞こえる盗聴している和重先生の発言に…一人微笑む…
『///え……ぇ…もう、帰って来ますか?奥さん』
乙原の…落ち込んだ声が聞こえてくる――――…
今だ―――――…
“背徳”の入り口に立つ二人の背中を押すように…俺は、手元の【録画】ボタンを押した――――――…
『――――――…和重先生……
好きです―――……』
カタンと言う音が微かな聞こえた…
和重先生が驚き机をガタンっとぶつけたのだろうか…
『あ…ありがとう…
でも、先生だし…奥さんも子供も―――――…』
『それでも…好きなんです…
奥さんが…
帰ってくるまででいい……
恋人にしてください!!』
ガタガタ――――――…!
『乙原さん!!』
乙原が、和重先生に抱きついたか?
音声だけでは、解りにくい…
「本当に…カメラを何台も隠していて正解だったよ」
俺は、スマホを取りだし…盗撮“背徳”マニアの彼から教わったやり方で空き教室の様子を見る!!
