
背徳教師
第3章 三時間目
「――ぇ、あ…先生も電車に乗っていたんですか?」
菅野の手は、ポケットのスマホを握りしめているのか…
手が、ポケットから出てこない!!
「えぇ…たまたま…痴漢のあった車両に乗り合わせていまして」
「え!先生も……、あの車両に…?」
目が泳ぐ…時折スマホを気にする視線に…
“背徳”の勘が働く―――…
俺は、菅野の腕を掴み……
ポケットから手を出させる―――…
菅野は、行きなりの俺の行動にとっさの判断が出来ず……
握っていたスマホまで外に出した――――――…
「―――――…やっぱり…」
素早く菅野のスマホを奪うと……
停止されていた動画を開く…
――――――ビンゴ…
