
背徳教師
第3章 三時間目
―――――…放課後
菅野は、素直に指定された備品庫に現れた―――…
教室と職員室から大分離れた場所にある備品庫…
文化祭や体育祭、入学式に卒業式…そんな時にしか利用しない…カビ臭く薄暗い場所…
教師一人一人管理する教室や部屋が割り当てられている我が校で、ここの管理は…
教師2年目の俺の担当だ…
このカビ臭さが…今のこの状況に“背徳”の完成度を伺わせる…
「底梨先生……」
1年の菅野がこんな場所すらあったのは知らなかっただろう…
入るやいなや…キョロキョロと…動揺を露にする…
「あっ、菅野さん…来ましたね!
すみませんが…次の合唱選抜の発表会で暗幕を沢山使うみたいで…ここから出すのを手伝ってもらえませんか?」
ま、放課後ここを待ち合わせにしたのは…仕事もあったから…ってのも理由の一つでもある――――…
「あっ…///はい」
