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刑事とBG

第1章 刑事とBG~前編~



《まずひとつ…団蔵さんは、おそらく毒殺されました》


毒殺だと!?と、会場から声が聞こえてきた。


《もうひとつ…、団蔵さんを毒殺した犯人は、この屋敷にいる誰かだ》


「あたしたちを疑ってるの!?」「信じられない…わけを教えろ!!」

斉藤には批判の声が浴びせられる。


《静かにー、まず自殺という線ですが…これは非常に考えにくい。
自分の誕生パーティーをこれだけ盛大にやって、客間でコロッと死にます~なんてないと思います》


『…』

(それって、斉藤の考えだよね…?)



《それに、80にもなってまだまだ元気らしいし…》


斉藤はちらっと、遺体の第一発見者の女を見た。

女はふっと目を伏せる。


《次に、外部からの犯行では?とかいう考えですが…皆さんご存知の通り、この屋敷には警備がいました。
その目をかい潜って、団蔵さんの殺害を実行させるのは些か困難だ》


言われてみれば確かに…と、招待客たちは複雑な表情を浮かべた。


《ってことで、今から全員に聞き込みを行おうと思います。
皆さん、ご協力お願いします》


そう言い終えると、斉藤は祐司にマイクを返した。


「100人以上に、聞き込みするんですか」

「まぁ、これも仕事のうちだかんな」


斉藤は適当にそばにいた男を連れて別室に入って行った。


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