
刑事とBG
第1章 刑事とBG~前編~
「祐司!!」
遅れて圭吾もやって来た。
しかし、無惨な姿の依頼人を見て愕然とする。
「ん」
斉藤は圭吾にも刑事手帳を見せた。
「…刑事さんなんですね、それならここは一旦あなたに任せます。
俺たちは招待客の誘導をしますので」
圭吾はあっさりと祐司と護を連れて部屋を出た。
「…話わかる奴もいんじゃねぇか」
ふーんといった感じで、斉藤は圭吾の背中を見届けた。
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「依頼人が殺されてしまうなんて…任務失敗だ!!」
護はダンッと壁を叩いた。
「守れなかった…」
祐司も静かに拳を握りしめた。
圭吾も悔しそうな表情を浮かべ、
「とにかく今は、更に被害が出ないように警備することに集中だ。
まだ犯人が周辺をうろついてるかもしれないからな」
慎重に辺りを見渡した。
――――――
『斉藤ー…まだぁ?』
「だから、んなとこでビクビクしてねぇで
1階に下りて他の奴らとくつろいどけって」
『うぅ…だって…』
廊下から顔だけ出して、出来るだけ団蔵の遺体を見ないでおこうとするゆうひ。
斉藤は現場検証をしている真っ最中だった。
「これか…」
斉藤は落ちていたグラスをハンカチで包み、手に取った。
(…毒殺で間違いはなさそうだ)
斉藤は団蔵の遺体を眺める。
「…」
(金持ちってのも、損だな…)
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