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宇宙

第2章 宇宙旅行

一匹だけならなんとかなったかもしれない。

でもあの数じゃ何をされるか分からない。

とても勝てない。

絢はふらつく足で一歩ずつ確実に床を踏み、寝室へと戻った。
スタンドライトは私の気持ちを読んだのか、薄暗くほのかに灯を照らしている。
そして周りに置いてある大小の様々なキャンドルが次から次へと火を灯す。
天井ではサソリ座と乙女座が写し出された。

「いってぇー、やっと出れたぜ。おかげで腕も尻尾もこりまくりだ。まるで殻でも被さってるみてえだ。」
サソリ座が喋った。
「サソリさんよ、あなたの先祖は殻を被っていたでしょう。今更何をおっしゃるのですか。」
乙女座は淡々と言った。
「相変わらず乙女座は冷たいぜ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!何なの?これは!」
「おめぇさんワシ達を呼んでくれてありがとうよ!」
サソリ座が言い終わるとすかさず乙女座は言った。
「呼んだというよりも無意識のうちに私達に援助をお求めになりましたのでしょうね。」
「よくわからないけど、静かにしてよ!ここにいるのがばれちゃう。」
「でぇじょうぶだ。ここは防音になってるんだ。ワシがでぇだけこのするでぇハサミで暴れても聞こえやしねぇ。」
「あら、あなたのそのハサミ最近錆びれて来てますわ。私の天使の羽を使用している万年筆で、補修して差し上げますわ?」
こんな大変な時にどおでもいい会話が飛び交う。
そもそもあのさそり座が言うこの部屋が防音室というのも信じれない。
「あ、あの!私を助けてくれるんですか?」
「ああ!そうだ!困ってるやつがいたら助けるのはあたりめぇだ!」
さそり座はシッポをブンと振りかざした。

この分けの分からない星座に助けを求めるなんて、自分でもどおかしていると思ったが絢は必死にお願いをした。

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