Spring Blind ~風の中、歩き出す~
第2章 悪いお知らせと気持ち。
「離れても…。 ずっと私と親友でいてくれる…?」
その質問に、一瞬困惑してしまった。
でも、考えるより先に口が動いていた。
「そ…、そんなの当たり前だろ。 今更何を言い出すのかと思ったよ」
最初の方少し焦ったような口調になってしまった。
でも、俺がそれを言い切ると、歩風はまた笑顔になった。
さっきまでの引きつったような感じではなく、いつもの元気な笑顔に。
「そっか…。 よかった~」
「何でそんなに安心してるんだよ」
そう聞くと、さっきよりも笑顔で答えた。
「え? だってさ。 剛典とこれからもずっと親友でいられるんだよ? 安心しない訳がないでしょ?」
「そっ、か…」
歩風に言われた事は嬉しい事のはずなのに、やっぱり心が苦しくなってしまった。
歩風にとって俺は、やっぱり親友以上の存在にはなれないんだ…。
そう思うと胸が締め付けられるようで…。
とても苦しかった。
でも、そう思っている自分がいる反面、燃えている自分がいるのも確かだった。
…こうなったら、離れ離れになってしまう前に、自分の気持ちをちゃんと歩風に伝える。
どんなにカッコ悪くなってしまっても、自分の気持ちに正直になる。
心の中で、そう決心した。
…歩風と離れてしまうタイムリミットまで、あと約3ヶ月。
固い決意を抱いたばかりの自分の事を後押しするように、空は綺麗に晴れていた…。