Spring Blind ~風の中、歩き出す~
第2章 悪いお知らせと気持ち。
「母さん、俺行くよ」
「でも…」
「俺なら大丈夫。 父さんを絶対に見返してやるから」
力強くそう言うと、「分かった。 じゃあ、期待しているわね」と笑顔で言ってくれた。
ゴメンね、母さん。
俺、頑張るから…。
母さんが俺のために父さんを止めてくれた事、絶対忘れないから…。
…その次の日、俺は歩風にそのことを報告した。
「父さんに勝手に決められた」ではなく、「相談した結果、こうなった」ということにしておいたけど。
すると、「そっか…」と寂しそうに言った。
「歩風…。 ゴメンね…」
「いや、いいよ。 剛典は剛典で、色々あるんだよね」
少し引きつってはいたけど、歩風は笑顔でそう言った。
「ゴメン…」
「もう謝らないで。 …でも、1つだけお願い聞いてくれる?」
「お願い…?」
「うん」
歩風から色々お願いされる事にはもう慣れているけど、今回は、どこかいつもとは違うような気がした。
「いいけど…。 どうしたの?」
俺がそういうと、少しだけ真剣な表情になり、俺を見つめた。
「高校生になったらさ、私達離れちゃうじゃない?」
「うん」
俺が返事をすると、一呼吸おいてから言った。