Spring Blind ~風の中、歩き出す~
第3章 受験の冬と、恋する乙女の聖なる日。
「後で、必要なものとかはリストにまとめて渡すからね」
「うん、分かった」
そう言うと、思い出した様に「あっ」と言った。
「どうしたの?」
「そういえば…。 剛典には報告しなくていいのか? ずっとお前らなんでも報告し合ってただろ」
「そ、そうだね…」
…そこで、何か忘れていた様な気がしていたものを、ハッキリと思い出した。
折角剛典の家にまでチョコを渡しに行ったのに、何で自分の気持ちを伝えてこなかったの、私…?
…こうやって先延ばしにしちゃうのは、私の悪い癖だけど…。
でも、次こそは絶対…!
卒業式の日までには、絶対に剛典に「好き」って伝えるんだ…!