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旅は続くよ

第1章 ひとつ屋根の下

O「皆、そこで何してんの?」

S「智くん」

A「さと兄!」


そうか

この人が家主の大野さん、“さと兄”か


A「さと兄、ニノが来たよ!」

一旦手放した愛想を取り戻して頭を下げた

N「二宮和也です。今日からお世話になります。よろしくお願いします」

つられるように大野さんも頭を下げた

O「ああ、ニノね。よろしくお願いします」

S「智くん、話聞いてたの?」

O「うん」

S「俺、聞いてないけど?」

O「…そうだっけ?」

S「家族会議開いてくれ。皆、リビングに集合な」



“翔ちゃん”の言葉に皆がリビングに向かった

リビングって言ったのに

広い和室に大きなテーブルと棚とテレビ

こういうのは居間って普通言うだろ?

相葉さんが人数分の座布団を配って、
皆が席に着く



家族会議って…、
俺はどうすりゃいいんだよ

多分俺の話をするんだろうし、
この場にいて良いんだか悪いんだか…


S「ここ、座って」

“翔ちゃん”に勧められた席は、
よりによって“翔ちゃん”の隣

どうせなら事情を知ってる筈の
“さと兄”か相葉さんの隣に座りたかったな…



O「じゃ、家族会議始めっか」

中央に座った“さと兄”はそこで言葉を区切ると、クスッと笑った

O「いいね、これ。いっつも母ちゃんがやってたから、俺初めてだ」

S「いいから続けて」

O「…何言えばいい?」

S「まずは事情を説明してよ。俺には話がさっぱり見えねぇ」

O「…んっとね。この前、雅紀が引越しの打ち合わせでウチに来てくれたろ?
そん時、雅紀に電話が掛かってきてさ。
なんか住むとこ無くなった友達が困ってるっつーから
じゃあウチに住まわせればいいじゃんってなって。な?」

A「うん」

大野さんと相葉さんが頷き合って
翔ちゃんを見た


…頭痛くなってきた

どうやら“さと兄”は相葉さんと同じ類の人間らしい


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