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旅は続くよ

第12章 無理

N「…何言ってんの…」

S「大事なことだよ」

戸惑うように揺れるニノの瞳を

強い想いを込めて真っ直ぐに見た


S「友達としてじゃない。
男として、二宮和也が好きなんだ」


この期に及んで勘違いなんてされたくない

勢いに任せて打ち明けた想いだけど

ニノを好きな気持ちには変わらないから…


ニノが俺の視線から逃れるように俯いた

…ああ

俺の片想いなんだな…

答なんか無くても、その表情で分かるよ


でも、不思議と落胆なんかしてない

後悔だって微塵もしてない

告白したからって、何もかもすぐ上手く行く訳なんか無いもんな…

それ位ガキじゃないんだから、ちゃんと分かってるよ


それより

ニノに『関係ない』と言われたくなかったんだ

ニノの全ての事に関係ない位置にいたくなかった

ニノの全部に関わって

誰よりも近い場所にいたいんだ

だから…

告白して良かったんだ、きっと…



沈黙が続いた後

俯いてしまったニノから小さな声が届いた


N「…ダメだよ」


それは波の音にかき消されそうな程小さな声なのに

俺の胸に痛いほど刺さった


N「…俺は…ダメだよ。無理……」



何がダメなのか

何が無理なのか

聞きたいのに

俯いた顔がどんな表情をしてるのか

見たいのに

刺さった言葉が俺の体の機能を止めてしまって

思考さえ止まってしまって


コンクリートの階段に2人動けずにただ座って

繰り返す波の音だけが辺りに響いていた




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