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夢。 〜 O×S×A×N×M 〜

第3章 バンビズ story

翔くんと沢山話をした


女装のキッカケはジャンケンで負けたからということ

美容師をやってること

雅紀とは専門学校時代からの親友だということ

マイケル・ジャクソンと昭和歌謡が好きだということ

舞台や映画をよく観ること

ファッションに興味があるけど時々奇抜過ぎて周りから引かれること

『松本薬局』と言われる程薬を常時持ち歩いてること。



翔くんは一つ一つ
頷きながら
時に笑いながら
しっかりと話を聞いてくれて。


だけど聞くばっかりで
自分の話はあまりしてくれなかった



潤「そのピアス…何か特別なものなの?」


俺の質問に
翔くんの瞳が一瞬、揺らいだ



翔「大切な人から…プレゼントされたものなんだ」



『大切な人』
そのワードに
ズキン、と胸が痛んだ



潤「…恋人?」


翔「ううん。僕が一方的に想ってる人。
もう、想うことも許されないけど…」


そんな
そんな悲しげな顔しないで


俺なら
翔くんにそんな顔させないのに。



智「お二人さーん?そろそろこっち来て一緒に飲みなさいよぉ〜」


智子さんの声が聞こえて。

翔「今、行きまーす
行こう?潤くん」


この時はもう
翔くんは笑顔に戻っていて

なんだかやりきれない想いで一杯になった。

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