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プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

ようやく蕾が付いてきたな。

ジュークと離れてから、以前植えた薔薇の様子を見にきた。

植えた時に付いていた蕾は、植え替えで栄養が上手く届かなかったのか、咲く前に萎れてしまった。

今付いているので二度目だ。

「今度は綺麗に咲いてくれよ?」

蕾を指先で突っつき、花に声をかけると

「こんな時にも花の手入れか?」

あきれたような口調で声をかけられた。

この声は…

「そっちこそ、こんな日にうろついてて良いのかよ」

視線をそっちに向ければ…あぁ、やっぱり。

「披露宴は終わった」

正装姿のままのディオがいた。

月の光を浴びて、プラチナブロンドの髪が青白く輝いてる。

ディオが歩く度に、肩から胸元に伸びる金モールが揺れて煌めく。

「お前は?せっかく身内に会える時間に、何故ここにいる?」

ディオの言葉が妙に引っ掛かる。

身内、か。

ディオにとっての『身内』って、誰までの事を言うんだ?

「俺はいいんだ。話も出来たし」

また兄上と喧嘩するのも何だしな。

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