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プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

「それよりも花の手入れか」

いや、そういう訳ではないんだけどさ。

「こんな手間のかかるものが、そんなに大事か?」

相変わらずのイヤミに、カチンとしてしまう。

「大事だよ!」

売り言葉に買い言葉のような勢いで反論する。

「この品種は寒い時期以外は長く咲いてくれるんだ。今やっと蕾を付けてくれた所で…」

「解った。いきり立つな」

俺の話を遮ってそう諌めると、ディオは小さく笑った。

「全く…お前は沸点が低すぎるぞ」

「悪かったな」

眉をしかめながらも、言われた内容が的確過ぎて顔が赤くなる。

確かに。

ディオに何か言われると、即座に言い返さないと気がすまないんだ。

カッとなりすぎだよな…。

反省しつつも、それを悟られたくなくて、唇をへの字に曲げると

「子供か」

ディオに一喝された。

どうせ、あんたに比べたら俺なんて、まだまだ尻の青いガキなんだろうよ!!

「まぁ…だが、お前の働きで今日を乗り切れたのは確かだ。礼を言うぞ」

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