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プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

「おい…」

ディオの表情に、俺も眉を寄せると

「努力はするつもりだ」

口元を引き締めて語るディオに、目を瞬かせる。

努力!?

「…何の?」

「お前流に言うなら、ティアナを幸せにするための…か?」

姉上を?

え…っと…

今、ジュークの話をしてたんじゃないのかよ!?

力が抜けて、大きくため息をついた。

まぁ…それならそれでいいけど!

「そういう努力なら、思う存分してくれよ」

「お前の行動力には負けるがな」

それはそうだ。

姉上を幸せにしたい気持ちなら負けない。

「だけど俺だって、いつまでここにいられるか…」

言いかけて、ハッと口を閉ざした。

頭の中でジュークの声が蘇る。

『どうか、今一度お考え直し下さい』

急に黙り込んだ俺に、ディオは首を傾げて

「何だ?」

「いや、何でもない」

首を振り、唇をニッと曲げると

「とにかく、頼んだ」

ディオの背をポンと叩いて、その場から立ち去った。

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