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プリンス×プリンセス

第16章 手間がかかるもの

「お前はティアナの事となると必死だな」

「当たり前だろ」

俺はその為にここにいるんだから。

「この花も、ティアナの為に作っているのだろう?」

「まぁ…そうだけど…?」

「姉のためにそこまでしようとする気持ちは、どうしたら湧くのだろうな」

え…?

薔薇の花を見たまま、ディオは眉を寄せた。

「俺には理解できない」

それは…俺の事じゃなくて、ジュークの事を言ってるのか?

だけどさ、信頼してるんだろ?

「…大事だから」

どう伝えたら分かってもらえる?

言葉を選びながら、自分の考えを伝えた。

「俺にとっては、かけがえのない大切な人だ。だから…幸せになって欲しい」

「幸せ…か」

「その為の手助けなら、出来る限りしてやりたい。そういう気持ち…お前にはないのか?」

ディオがゆっくりと俺の方を向いた。

いつも自信満々な表情を印象付ける吊り眉が下がっていて…

何でそんな…悔いるような顔をしてるんだよ!?

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